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乳腺炎の体験談(後編)

そんな「ゴツゴツおっぱい」。 いつもは、授乳後はしゅんとしぼんでしまうはずなんですが、そうはならない。いくら長男に授乳しても、全然、ゴツゴツ感は良くなりません。

「んーー。なんかヤだなぁ。おっぱい痛いなぁ。でも、母乳が溜まってるんだし…」

そう思いながら、夜は更けていきます。

その次の日の朝。わたしの身体の調子が、明らかにおかしくなりました。
寒いのです。ガタガタ震えるくらい寒ーくなってきたのです。そして、関節、特に肩や腰がどんどん痛くなってきます。

「おかしいぞ?」

と思い始め、ふと、痛むおっぱいを見ると、

「真っ赤!」

右のおっぱいの脇のほう。特にごつごつが酷い部分。そこが、卵一個分くらいの大きさで、赤くなっているのです。 どういう赤さかというと…。えーと、肌を、思いっきりひっぱたいた時に出来る赤み、といったら良いでしょうか。

そうです。
乳腺炎です。

慌てて、産院へ電話。そこは、母乳外来もやってくれている産院だったので、本当に助かりました。
(母乳外来という言葉も、産後初めて知りました。主におっぱいトラブルの対処、授乳指導をしてくれる場所です)
赤ちゃんは義母に預け、すぐに産院へ行きました。この時、熱は38℃を超えています。身体はだるくてたまらない。頭痛もしてきました。

産院では、おっぱいマッサージを受けました。
(おっぱいマッサージとは、「外に出られず溜まっている母乳を、乳房を圧力をかけながらもんで外に出すという行為」のことを言います)

ただでさえ痛い乳房を、力をかけてもむのですから、これが痛い痛い! 泣きそうになりながら耐えていると、助産婦さんに、

「なんで6時間も、授乳間隔を開けるの! これじゃ乳腺炎になっちゃうでしょう? ちゃんと産院では3時間ごとって言ったわよね!」

と怒られました。
(そんなこと言われても~…)
新生児育児中のママは、ただでさえナーバスになっています。怒られてちょっとブルーになってしまう新米ママな私…。

でも、処置後、おっぱいを触ってみると、先ほどのゴツゴツ感は、かなり良くなっていましたし、赤ちゃんもよく母乳を飲んでくれるようになりました。
そして、お薬(葛根湯)を貰って帰ってきました。熱は、その夜には下がってきて、関節の痛みも引いてきました。
やれやれ、一安心です。

その後、ちゃんと助産婦さんの言いつけ通り、授乳は3時間以上開けることなく、(というか3時間きっかりに、時計で計ってまで)行いました。
…あ、これは、結果的に間違いだったとわたしは思います。3時間ごとではなく、泣いたらおっぱい、が基本だと思っています。

しかし…。

長男が余りに寝なくて、完全徹夜だったある日の明け方。また急激に寒気が! この前の乳腺炎から2週間も経っていないのに!
もう、泣きそうな気持ちになりました。

「えーー。またやってしまったかー…」

一回乳腺炎をやっているので、あの感触はすぐに思い出せます。すぐにそうだと分かりました。 乳房を触ると、「ゴリ」っとする部分があります。しかも、赤い部分が、今回は両側にある!
以前より身体がしんどい。頭がくらくらする。歩いても、なにか、ふわふわした所を歩いている感じ。
熱を計ると……。

40℃!

産院へ行くと、助産婦さんはわたしの顔を見てひとこと。 (よっぽど悲惨な顔をしていたのでしょう…)

「うーん。あなた、入院したほうがいいわ」

「え?」

「大丈夫。赤ちゃんもいっしょにね」

というわけで、急遽入院。長男とわたしの入院生活が始まります。

わたしは、点滴をつけ、定期的におっぱいマッサージを受けるという治療。長男とは基本的には母子同室。しんどければ、看護婦さんが預かってくれます。

入院して、次の日までは、熱はずっと39℃後半でした。寒くて寒くて、熱い湯たんぽまで貸して貰ったくらいです。
部屋の暖房もがんがんいれてもらいました。(見舞いに来た義母が、「この部屋、暑いけれど大丈夫?」と聞いてくれたくらいガンガンに、です)

乳腺炎による熱は、二日目には下がったものの、やはりおっぱいはズキズキ痛みました。結局、これは、10日ほど続きました。

で、入院生活はどうだったかというと…。

悲惨か…というとそうでもない。実際は、自宅での育児よりも断然楽でした。

ごはんも作らなくて良い。掃除もなし。洗濯もなし。そして、赤ちゃんは、自分が眠りたければ、看護婦さんに任せておける。看護婦さんに、これまでの辛い育児を吐き出したり、おんぶ育児のやりかたを教えて貰ったり、添い乳を教えて貰ったり…。

再度繰り返しますが、うちの子は「寝ない子」ちゃん。
それまで、「徹夜」「ずっと抱っこ」で過ごしてきたわたしは、ここでようやく「生きるパワー」を取り戻した気がしました。

※しかしねぇ。ひとつ困ったのは…。わたしが入院したのは、産院の陣痛室のすぐとなり。つまり、あの、陣痛の痛みに闘う声が四六時中聞こえてくるわけです。
つい1ヶ月ほど前にそれを体験しているので、その声を聞くと、こちらまで、「あのときの痛み」がなんとなーーくフラッシュバックしてしまったりして…。おまけに、出産の瞬間には、わたしも「やった~」と思わず涙ぐんだりしていました!

一週間ほど入院して、ようやく退院許可がおります。

「乳腺炎、気を付けてね~」

看護婦さんに見送られながら、笑顔で退院したわたしです。 (ま、その後も何回も繰り返すんですがね(^-^;)


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